皆様こんにちは。
“元プロがアナタの夢をサポート!”をキャッチフレーズに住宅検討コンシェルジュをしております植田です。
本日ご紹介するのは
土地情報の読み解き方
でございます。
土地を購入しようと考えている皆様なら1度は感じた事があるであろうこの疑問。
「どういう土地が良い土地なの?」
大きさや値段、立地条件は比較出来ても、土地本来の特性はイマイチ分かりにくいのではないでしょうか。
最初に最もお伝えしたいことを申し上げます。
「不動産に掘り出し物はありません!」
これは断言出来ます。高い土地には高い理由が、安い土地には安い理由が必ずあるものです。
そこで“この項目はどのような意味なのか”、“どこの項目を見ればよいのか”について解説致します。
まずはこちらをご覧下さい。よく見る土地情報です。
検討すべきポイントにラインを引きましたので、番号順にご説明致します。
①立地条件
この部分はお分かりになられると思います。「どこのエリアなのか」、「最寄り駅と最寄り駅からの所要時間」が記載されています。
当然ですが、駅から近くなるほど高額になりますよね。狙い目は「徒歩15分」くらいでしょうか。徒歩10分圏内は需要が高い為、強気な価格設定がされることが多いように思います。生活がクルマ中心であればバス利用の土地も狙い目ではないでしょうか。
②建築条件とは?
建築条件とはその名の通り、建てる建物が条件化されている物件のことです。
例えばAホームが土地を販売している場合、建物もAホームで建てて欲しいですよね。だから「この土地にはAホームで建築することを条件とする」という約束の下、販売されることになります。
建築条件が付いている土地は相場よりも安いことが多いです。何故なら建物で利益を確保できるので、その分土地の利益を抑える事ができるから。
悪い言い方をすると、安い値段で土地に引きつけてセットで売るという商法ですね。
また、交渉により建築条件を外すことが出来る場合もあります。勿論タダというわけにはいかず、販売価格に100万円程上乗せする必要があるでしょう。
③販売価格
ここは説明不要ですよね。土地の販売価格です。指値交渉と言って、価格を下げる交渉が通ることもあります。この指値交渉については後日ご紹介致します。
④土地面積
ここも説明は不要ですね。たまに平米数のみ記載してある物件情報がありますので、坪数に変換する計算式をご紹介致します。
坪数になおすのはとってもカンタンで“平米数×0.3025”をすると坪数になります。因みに1坪=2帖ですので、52坪の土地であれば104帖ということです。何坪の土地であれば丁度良いのか、についても後日ご紹介致します。
⑤詳細項目について
詳細項目のご確認頂きたい箇所は赤ラインを引いてある項目です。細かいことですが、土地選びにおいて非常に大切なことなのでしっかり確認するようにして下さい。
・現況
よく「更地」や「古屋あり」等と記載されています。今回の例では古屋があるパターンですね。土地を購入して建物を建てる場合には、当然古屋を解体する必要があります。その解体費は購入者であるアナタが負担する費用です。
したがって、古屋ありの場合には解体費用も想定して計画を立てなければいけません。解体費用については解体業者により調査を行わなければ金額は出てきませんが、下記の費用を想定しておいて下さい。
- 木造家屋の場合:180万円
- 軽量鉄骨の場合:220万円
- 鉄筋コンクリート造の場合:250万円
上記の金額はあくまでも目安です。建物の大きさや立地条件により費用は異なります。また、少し余裕を見て記載しておりますので、この想定であれば大きくオーバーすることはないでしょう。
解体業者に調査をしてもらうまで発覚しないことが多いのですが、解体する建物にアスベストを含んだ資材があれば追加費用がかかるとお考え下さい。
・接道
その名の通り、接している道路についてです。方角については建物を計画する際に非常に大事なファクターですので、別の記事でご説明致します。ここでは道路幅について注意をして下さい。
そもそもですが、接している面が2m未満であれば建物を建てる事は出来ません。そんな土地を売りつける業者はいないとは思いますが、念のためご確認をして下さい。
道路幅は4m以上の土地を選ぶことが賢明です。
建築基準法により、4m未満の土地の場合はセットバックが必要だからです。
例えば消防車や救急車が通る際、4m未満だったら通りにくい、ないしは通れないケースがありますよね。
それを避ける為に、道路は全て4m以上にしなければいけません。
既に建物が建っている場合に道路を拡張することは出来ませんから、市は建て替えの際にしっかりと確保させられるわけです。
具体的には“道路の中心から2m確保しなければならない”ことになります。
何故2mなのかというと、片側の土地をセットバックするだけで4m確保するわけでなく、逆側の土地の所有者(お向かいさん)と共同で4mを確保すれば良いからです。お互いに2mずつ確保すれば4mになりますよね。
例えば3m道路であれば中心から1.5mしかありません。したがって0.5m土地をセットバックしなければいけません。
セットバックしたら土地の所有権はアナタにはありません。市の所有する土地となるので建築することは出来ませんし、建ぺい率の計算にも関わってくるので注意が必要です。
以上が法規の観点からのデメリットです。
道路幅が4m未満だと単純に不便だと思います。その土地の周りは道路幅が小さい事が多いでしょうから、クルマの出し入れも大変ですし、夜道は不安ですよね。広すぎる国道沿いも考えものですが、4m〜6mは欲しいところです。
・用途地域について
用途地域とはエリア毎に建築物に対するルールを定めているものです。今回の例では「第一種低層住居専用地域」と定められています。
「住居専用地域」は文字通り住居を建てる事が出来る地域のことです。ここでは「低層」ですが、3階建てを建てたい場合には「中高層」の地域を選んで下さい。低層地域でも3階建てを建てられないことはありませんが、クリアすべき基準が厳しいので避けた方が無難です。
また、注意して頂きたいのが「市街化調整区域」です。これは「建物を建てずに自然を守りましょう」というエリアです。
基本的には建物が建てられない為、かなり安く売りに出されている事があります。こちらも建てられないことはありませんが、かなり面倒なので「住居専用地域」を選ぶ事にしましょう。
他にも「商業地域」や「工業地域」等もあります。ここでは住宅を建てる事は可能ですが、周りに商業施設や工場があることが多い為、閑静な住宅街をお望みであれば避けるべきでしょう。
・建ぺい率・容積率について
これは別記事で詳しくご説明致します。カンタンに説明すると「土地面積に対して建築可能な面積の上限」を示しているものです。
大きい建物を建てたい場合はヨンパチと呼ばれる建ぺい率40%、容積率80%の土地は避けた方が良いかもしれません。
以前間取りを考える際、ヨンパチの土地だとかなり苦戦した記憶が御座います。
・設備について
今回の例では「都市ガス、公営水道、公共下水」と完璧な条件ですが、1つでも欠けていたら建築の際に追加費用が必要だとお考え下さい。
▪️ガスについて
都市ガスのガス管がない場合、LPGになります。つまりプロパンガス ですね。プロパンは工事費負担が非常に低いのですが、ガス代の単価が高くなるのでオススメは致しません。オール電化住宅にする場合、ガスは不要ですが。
▪️水道管、下水道について
水道管や公共下水がないケースというのは、元々その土地に建物が建っていなかった場合が多いです。元駐車場等がそうですね。
水道メーターがない場合は追加費用負担額は大きいとお考え下さい。
接している道路には水道管が通っていても、宅地内まで引く工事費は施主負担となります。
一度道路を掘削して、新たに水道管を宅地内まで繋げ、また道路を塞ぐ工事ですから、道路に入っている水道管がどの位置にあるかも重要です。建築予定地側の場合はラッキーですが、逆側の場合工事費は高くなります。条件によって大きく変動しますが、目安として50万円は必要です。
いかがでしたでしょうか。土地情報を見ているとどうしても「駅からの距離、価格」ばかりを検討してしまいますが、安い土地には必ず理由があるものです。
次回は避けたい土地についてご案内致します。
それではまた。
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