
皆様こんにちは。
“元プロがアナタの夢をサポート!”をキャッチフレーズに住宅検討コンシェルジュをしております植田です。
本日はご紹介するのは
選んだら苦労するかもしれない土地の特徴
についてです。
勿論何か拘りがあったり、知識を持った上で選ばれるのであれば問題ないのですが、知らずに購入して失敗することだけは避けましょう。
変形した土地にはご注意を!
これについては説明不要ですよね。建物が非常に建てにくい土地です。
これが長方形のような四角形の土地だった場合、全く同じ面積だとしても建てられる建物のバリエーションはグッと広がります。
私も設計させて頂く際、変形地には非常に苦労した記憶が御座います。
上記の土地の場合、1階に広々としたLDKと水回りをまとめるのは至難の業ではないでしょうか。
LDKではなくDKだったら上手くいきそうですが。。。
また、変形地に設計するのであれば、建物はどうしても凹凸があるカタチになってしまうことが多いです。
凹凸が出来ると何が悪いかというと、耐震性能とコストパフォーマンスが低くなってしまうことが挙げられます。
建築物は四角形である方が地震に強いですからね。
デザイン的には凹凸があった方がオシャレに見えるかもしれませんが、真四角の建物が最も強いカタチなのです。
また、凹凸が付いている建物は外壁の面積が四角形のものより多くなりますよね。それが理由で少し割高になってしまうのです。
専用通路がある土地にはご注意を!
上記のように専用通路がある土地には注意が必要です。
専用通路は敷地内通路のことで、上記で言うとクルマが停まっている辺りの小道のような部分のこと。
これは大きな土地を持っている地主さんが売却する際、あまり大きすぎる土地だと売れないので、切り売りする場合によく見られる売り方です。
80坪の土地を6000万円で買い取ってくれる人を1人探すよりも40坪の土地を3000万円で買い取ってくれる人を2人探す方が圧倒的にラクに見つかりますからね。
何故このような土地に気をつけなければいけないかと言うと、建築コストが多くかかってしまうからです。
もしかしたら購入時は道路側の土地が更地なのかもしれませんね。その場合は建築時のコストは標準料金で良いでしょう。
しかしながら何十年後にお子様が建て替えをする際までずっと更地でしょうか。恐らくその可能性は低いと思います。
解体工事には大きな重機を利用します。もし搬路がなければ手壊しになる為、当然コストは高くなりますよね。工期も人工代も上がりますから。
新しい建物を建てる際にもレッカー車等を利用したいところですが、搬入出来なければそれも手で運ぶ事になります。
折角高額な費用で土地を購入するわけですから、子供にも残したいと思うのが親心。どの代になっても無駄な費用なく建て替えが出来るように、専用通路の土地は避けた方が良いと思います。
因みに建物を建てる為には2m以上、道路と接していなければいけないというルールが建築基準法にはありますので、購入する場合は2m以上あることは必ずチェックして下さい。
また、専用通路内にクルマを停めようと計画されている場合は、最低でも2.5m確保するようにして下さい。
それ以下ですとドアを開けるのが困難になってしまいます。
高低差がある土地はご注意を!
高低差がある土地にはメリットもあります。近隣よりも高い土地であれば日当り条件が良くなりますよね。道路の通行人からは視線を感じないので、カーテンを閉める事なく開放的にプライベート空間を楽しむ事も。
しかしながらデメリットもあります。擁壁問題です。
重たい建物を土の上に載せるわけですから、擁壁には当然大きな負荷がかかります。
擁壁の安全性が保たれていれば良いのですが、厄介な事に擁壁の図面は役所にも残されていないケースが殆ど。建築業者に尋ねても数十年前の図面がすぐに出てくることは非常に稀です。
つまり、安全かどうかが誰にも分からないのです。
実績を積み、信頼感を第一にしているメーカーの場合、安全かどうか分からない擁壁の上に建築は行いません。
何故なら地震が起こり、擁壁が原因で建物が傾いた時、世間では「要壁が弱かったから壊れた」という印象ではなく「あのメーカーの家は地震で壊れる」という印象しか持たれないからです。
長々と書きましたが、早い話が擁壁工事からやり直さなければならず、多額の費用がかかります。
2m以上の擁壁であれば1000万円程は必要だと思って下さい。
土地の購入をして、建物工事だけでなく擁壁工事まで行っていては大変ですよね。
勿論、その費用を見越して購入するのであれば問題ありません。キレイな鉄筋コンクリートで擁壁をたて、道路よりも高い場所に建物を建てれば非常に立派な高級感のある住宅に仕上がると思います。
擁壁を立て直す事以外にも方法はあるにはあるのですが、(擁壁に力がかからないように土を法面状に削る事等)土地の広さをかなり無駄にしてしまうこと、建築出来る範囲が狭まってしまう事からあまりオススメ出来ません。
勿論新しく擁壁工事から行っている開発地については問題ありません。予め擁壁工事を行った上で売られる訳ですから、擁壁の図面も確実に貰えます。その図面があれば、建築メーカー側も安全だと判断できるので、そのまま建築する事が出来ます。
東西に長い長方形の土地にはご注意を!(低層住宅のみ)
パッと見、非常にキレイな長方形の整形値ですよね。建物も建てやすいように見えます。
けれどこの土地が第一種低層住宅専用地域、第二種低層住宅専用地域の場合はお気をつけ下さい。
北側斜線制限という厄介な規制があります。
北側斜線制限とは「あんまり北側に建物を寄せないようにしましょう」というルール付けをした法律です。
北側に建物を寄せて建てた場合、北側隣地の南側に障害物がくるわけですから日当りは悪くなりますよね。それを防ぐ為の法律です。
東西に長い長方形の土地の場合、この北側斜線制限を考慮して、ある程度北側を空ける必要があります。(建物の高さに依りますが)
ご存知のように、日当りが最も良い場所は南側です。
上の画像のような大きさの場合、南側からの光は殆ど諦める必要があるように感じます。
そうなると東側からの採光をメインに計画せざるを得なくなり、日当りサンサンの明るい家というのは難しくなりますね。
念のため申し上げますが、このケースは克服不可能ではありません。例えば吹き抜け等を駆使して日当りを確保することは出来るでしょう。
逆にこのような多少の障害があった方が設計の腕がなるのかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
「おっ!お買い得な土地を見つけた!」と思った時には上記のどこかが当てはまっていないかどうか確認してみて下さい。
何度も申し上げておりますが、不動産に掘り出し物はありません!
土地探しは本当に大変ですが、失敗しないようにじっくり検討なさってくださいね。
それではまた。
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