
皆様こんにちは。
“元プロがアナタの夢をサポート!”をキャッチフレーズに住宅検討コンシェルジュをしております植田です。
本日は
住宅の断熱性能を飛躍的に向上させる方法
をご紹介致します。
建築主様も非常に強く留意なさる断熱性能。恐らく耐震性能の次に気にされるポイントなのではないでしょうか。
「最近の住宅メーカーはどこも同じでしょ?」と思われているかもしれませんが、実際の住み心地、特に10年後の住み心地には大きな差が生まれますので断熱性能についてはしっかりとチェックしておくことが必要です。
断熱性能はQ値で表され、気密性能はC値で表されます。
気密性能が高ければ、“隙間のない家”になりますので、冬の寒い外気が室内に入りずらくなって結果、断熱性能が高い家になるというわけ。
しかしながら換気扇のことをお忘れではないでしょうか。
住宅の最大の隙間は換気扇
ホルムアルデヒドが原因で起こるシックハウス症候群が問題視されてから、新しい住宅には“24時間換気”が義務付けられるようになりました。
これは室内の空気を強制的に交換(換気)させるシステムで、2時間に1度の頻度で全ての空気が入れ替わるように設計されています。
換気扇や換気口は言ってみれば住宅に穴が空いている状態。勿論フィルターが付いているので虫や雨が入ってくることはありませんが、大きな隙間であることは間違いありません。
いくら他の隙間を塞いで住宅の気密性能を向上させても換気口という名の穴が空いていては意味がありませんよね。
それを解決できるのが第1種換気システムです。
換気システムについて
いきなり第1種を説明する前に、第3種からの方が説明しやすいのでその順番で記載致します。
第3種換気システムとは
第3種換気システムとは所謂24時間換気システム。どのメーカーで建築したとしても標準で搭載される換気システムです。
ポイントは吸気と排気をどのように行っているか、です。
第3種システムの場合は、上の図のように“吸気”は“自然”に行います。
つまり窓を開けているのと同じ状態ですね。外の空気をそのまま室内に取り入れます。
自然に取り入れた空気を、換気扇を使って外に押し出す方式です。
メリットは導入コストがかからないこと、デメリットは、、、色々あります。
まず外の空気は必ずしもキレイではありません。排気ガスや花粉を家の中に入れているようなもの。
また、冒頭にもあるように家に穴が空いているのと同じ状態ですから外の寒い空気はそのまま家の中に入ってきてしまいます。
第2種換気システムとは
第2種換気システムとは吸気のみを“機械”制御し、排気は“自然”に任せる方式です。大手メーカーではパナホームが採用しています。
第3種換気システムでは吸気を“自然”で行っていた為、外の空気をそのままに取り入れていましたが、第2種では機械制御をする為、フィルターを通すことが出来ます。つまり“外の汚い空気”を、フィルターを通すことにより“キレイな空気”を室内に入れることが出来るのです。
無菌が必要な手術室はこの方式を採用しています。
メリットは下記の通りです。
- キレイな空気を取り入れられる
- 導入費用が第1種換気システムに比べて安い
- 電気代が第1種換気システムに比べて安い
- メンテナンスが容易
逆にデメリットは気圧が高まることです。吸気を機械で強制的に行い、排気は自然ですから、どうしても気圧が高くなりがち。
気圧が高くなることによって室内の湿気が十分に排気されないことがあり、内部結露を起こす可能性があります。
第1種換気システムとは
第1種換気システムとは吸気も排気も両方“機械”で制御するシステム。
上の図では他の換気システムと同様に換気口(穴)が空いているように見えますが、1つにまとめることが可能な点が最大のメリット。
つまり換気口と呼ばれる穴をお部屋毎に設ける必要がありません。
床下や屋根裏にこの機械をセットし、家中の空気をコントロールしつつ、排気はまとめて行えるのです。
住宅メーカーが必死にQ値を上げても結局開けていた穴を開ける必要がないので気密性能が上がり、結果断熱性能も向上する、というわけです。
第1種換気システムには他にも多くのメリットがあるので、そちらも併せてご紹介致します。
第1種換気システムのメリット
いつでも空気がキレイ
これは第2種換気システムでも言えることですが、吸気を機械で制御することにより、フィルターを通すことが出来ます。
住宅メーカーが採用しているフィルターは非常に優秀で、排気ガスは勿論、花粉さえも100%に近い精度で除去してくれます。
つまり第1種換気システムをつければ窓を開けることが逆効果になるのです。
熱交換をしてくれる
第3種換気の場合、外の寒い空気はそのまま家の中に取り込みます。外が0度の場合は0度の空気そのままです。
第1種換気は熱交換機能が付いていて80%の熱量を交換して家の中に取り込むのです。
例えば外が0度、室内が20度の場合、外から入る空気は16度になって家の中に入ってきます。16度と0度では全く違いますよね。
暖房効率を上げることにも繋がりますよ。
耐火性能も上げてくれる
隣の家が火事になった場合、自分の家に火が入ってくるとしたら窓か換気口です。火も入りやすいところから入ってきます。
第1種換気システムならば換気口をお部屋毎に設ける必要がありませんので、火の侵入を防いでくれるのです。
第1種換気システムのデメリット
電気代が高い
換気システムは常時オンの状態なので、電気代は最もかさむシステムです。
月々2000円〜3000円程は必要だとお考えください。
メンテナンスが大変
換気システムも機械です。機械ですから何十年もすると壊れてしまうこともあります。
家中を換気ダクトが張り巡らされているシステムなので、メンテナンスは大変かもしれません。
勿論メーカー側は対策をしていて、壊れるであろうモーター等の消耗品の交換はしやすいようになっている筈です。詳しくは営業マンに尋ねてみてください。
いかがでしたでしょうか。
第1種換気システムは高価なオプションですが、つける価値はあると私は思います。
断熱性能を1つの質問で客観的に比較する方法については下記の記事をご参照ください。
それではまた。
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